借用書と印紙
印紙税が掛かる費用を記載した借用書には印紙を貼る必要がありますが、印紙を貼り付けしていない借用書は無効なのだろうか?それとも有効なのだろうか?現時点では借用書として有効ではありますが、印紙税法に違反していることには注意が必要。
印紙が無くても借用書は有効です
結論は、表題の通りです。仮に印紙がなくても印紙税法に違反していますが、借用書は有効です。
借用書について、ご存じない方は、最初に借用書の書き方をご参照ください。
話の発端は、「知人にお金を貸す際、借用書を作成しました。ところが借用書に印紙が貼られていなかったため借用書は無効なのではないか?と言われたのですが。」という知人(お金を貸した側)との会話からでした。
お金を借りた側と私は全く面識はないのですが、正直に申しまして、何となく別の意図を感じました。と言いますのも、そもそも口約束でもお金を借りたことには変わりないわけですが、万一のトラブルが生じた際に、証拠として、念のためリスクを回避するために、借用書という書面を交わしたわけです。
「借用書には印紙が必要なのではないか?」ではなく、「借用書は無効なのではないか?」と無効と言う言葉を強調するところが、少し怪しさを感じます。
さて、「印紙が無くても借用書は有効」ということは最初に書いたとおりですが、もう少し内容を詳しく見ていきます。
印紙が無くても効力は消えない
借用書に限りませんが、その他の契約書(課税文書)などにおいても印紙が必要です。ただし、免税されている範囲の金額は除きます。印紙が無い場合、契約書が無効になるか否かについては、印紙の有無と契約書の有効性(効力)については関係が無いということになっています。裁判などでも印紙が無い借用書が証拠として認められるケースがあるようです。また仮に、印紙が貼り付けされていても、印紙額が間違っていた場合も同様に借用書などの契約書として効力を発揮します。印紙額の最新情報は国税庁のウェブサイトにありますので、年ごとに確認しておくと良いでしょう。
印紙が無いと印紙税法にふれる
借用書などの契約書の有効性(効力)と印紙の有無とは直接関係なく契約の成否には影響しないことは、先に書いたとおりですが、本来貼るべき収入印紙がないので、印紙税法に違反します。印紙税法に反したことが発覚したことで、刑事罰まで発展することは稀なようですが、過怠税など追徴課税が生じます。
借用書と契約書を混同しないこと
印紙税が掛かる費用を記載した借用書、領収書には収入印紙が必要ですが、課税文書ではない契約書のように収入印紙が必要ないケースもあり、また金額は契約の種類によって印紙額が異なります。印紙税に関する最新情報は国税庁のウェブサイト、借用書の印紙の問題を超えて借金返済関連の情報かトラブルに発展するようなら、最寄りの法律事務所や弁護士に確認することをお勧めします。
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